【レポート】『存在の男』展第2弾「関口存男と演劇」に行ってきました
『存在の男』展第2弾「関口存男と演劇」に行って来ました!
こんにちは。楽劇座の五條なつきです。
青山のGLOCAL CAFEさんで開催中の『存在の男』展第2弾「関口存男と演劇」の展示が始まったとお伺いして、早速お邪魔して参りました。
ゾンダン先生ファンにはもちろん、演劇関係者・演劇ファンにとっても見逃せない内容になっておりましたので、拙い文章ではありますがレポートさせて頂きます!
日本演劇史にとっても貴重な資料の数々
一般的には「関口存男」と言えば「ドイツ語」や「語学」のイメージが強いかと思いますが、実はゾンダン先生は日本演劇にも多大なる影響を与えた方なのです。
こちらの展示『俳優座・10年の歩み』の寄せ書きをご覧頂いただけでもお分かり頂けるかと思います。
村瀬幸子
仲代達矢 etc...
日本演劇界を代表する方のお名前がズラリ。
貴重な名刺も一緒に展示されています。
後側にあるのは、新劇の講習会で講師を担当していた事も分かる面白い資料。ドイツ語ラジオ講座での語り口が伝説となっているゾンダン先生は、演劇の講座では一体どんな事をどんな風にお話されたのでしょうか?当時の事なので、音源やビデオが残っていないのが残念でなりません。
その他にも、これまでなかなか目にする機会がなかった資料が並んでいます。(写真に写っているものの他にも、会場内で閲覧可能な資料や本のコピーも置かれていました。)
個人的には演劇ノートが興味深いです。当時、舞台監督(演出)を務めた公演の劇評と合わせて見ても、ゾンダン先生が演劇人として情熱も才能もあった形跡が伺えます。
これらの展示は関口純先生著の解説と合わせてご覧頂くと、それぞれの展示物のストーリー(裏話)や意味が分かるようになっております。
こちらの解説も日本演劇史・新劇史にとって重要な資料になるぐらい盛りだくさんの内容です!リーフレット(関口純先生と國分功一郎先生の寄稿文が掲載されています。)と一緒に会場で無料配布されておりましたので、ぜひお手に取って、展示と共にお楽しみ下さいませ。
私が今回の展示で1番お気に入りなのは、こちらの写真。
ゾンダン先生は難しいお顔をして写っている写真が多いのですが、演劇に関わっている時のゾンダン先生は、とてもとても幸せそうなのです。
語学の分野で天才的な能力(もちろん、努力も!)を発揮されて大成されてしまったために、演劇活動から離れる事になってしまったゾンダン先生ですが、晩年、本当は演劇の世界に戻ろうとされていたとお伺いしています。
きっと、心の底から演劇が好きな方だったのでしょう。これまであまり人の目に触れて来なかった演劇の世界での関口存男先生の活躍がこうして公にされて皆様の目に触れる事、そしてなにより曾孫の関口純先生が演劇の世界で生きていらっしゃる事を天国で嬉しく思われているのではないでしょうか。
不思議な事に、もともと純先生は演劇の世界に進もうとは全く考えていなかったのに、何故か自然と演劇のお仕事をする事になってしまったそうなんです。もしかしたらゾンダン先生のお導き(またはイタズラ!?)ではないかな、と私は勝手に思っています。
ちなみに、挿絵用イラストや私物は継続して展示されておりました。第1弾を見逃してしまった方はそちらもお見逃しなく!
「関口ブレンド」頂きました。
展示の他にもう1つお楽しみが…そう、GLOCAL CAFEさんはもちろんカフェなので、ドリンク!
なんと「関口ブレンド」なる、関口存男先生をイメージしたオリジナルブレンドコーヒーが登場したとの事で、そちらを頂きました。
担当の方から「結構濃いめです」とお伺いしたので、もしかしたら苦手かも…と躊躇しながら飲んだのですが、濃いめと言うよりは深いと言えばいいのでしょうか。苦味や酸味が強すぎる事もなく、芳ばしい香りのとても美味しいコーヒーでした!
コーヒー好きの方には絶対オススメなので、ぜひお試し下さい。
『存在の男』展連動企画・『関口純の演劇論』シリーズ第1弾!
ゾンダン先生の曾孫であり、この展示の監修を担当している関口純先生が芸術監督を務める劇団・楽劇座(がくげきざ)でも、今回の「関口存男と演劇」の展示との連動企画として『関口純の演劇論』シリーズを7〜9月にかけて上演致します!
第1弾は7/28-31『デンデンドロイカ』!
<加害者の心の闇>を描いたダークな作品です。本編の他、関口存男先生の未発表私小説的エッセイの朗読劇や作品解説トークなど、盛りだくさんの内容でお届け致します。【7/21】までに前売チケットをご購入頂頂いた方には全員に、ゾンダン先生のイラストをデザインした非売品缶バッジもプレゼント。
面白い公演になりますので、ぜひ展示と併せてお楽しみ下さい。
詳細やチケットのお求めは下記のブログ記事よりご確認下さいませ。
【『関口純の演劇論』第1弾 上演内容】
関口存男「悪魔的の心理」
関口純「デンデンドロイカ」
作品解説トークショー「演劇と社会の境界線~加害者の心の闇について~」&楽劇座ミニコンサート
終わりに
今回の展示は、これまでなかなか一般の方が触れる機会がなかった「関口存男と演劇」というテーマです。
「ゾンダン先生と言えばやっぱり語学でしょ!」という方の中には、もしかしたら関口存男先生の演劇活動についてはあまり興味のない方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、色々な資料を拝見していると、あのゾンダン先生の文章、翻訳、語り口は演劇をやっていたからこそ生まれたものなのだと思わずにはいられないのです。きっと、語学も演劇も疎開も他の生活も…ゾンダン先生の周りの全ての事がご本人の中で繋がっていらしたのかもしれません。
今回の展示は「関口存男の素顔」とでも言えばいいのでしょうか。今回の「演劇」を始め、次回以降の「社会活動」「家庭人」などのテーマも含め、ドイツ語学者としての顔以外の面もクローズアップされています。
語学者としてだけではない、1人の人間としてのゾンダン先生の魅力に注目して、今後の展示も楽しみにさせて頂きたいと思います!
そして個人的な事ではありますが、このタイミングで『関口純の演劇論』シリーズという非常に面白い公演に出演させて頂ける事も、大変光栄に思います。ゾンダン先生の未発表作品を初めて皆様にお披露目する朗読劇の機会も頂いたので、頑張らなくては…!!
展示も公演も、ゾンダン先生ファンの方にも演劇ファンの方にも、どちらもお楽しみ頂ければ幸いです。
★★★次回出演情報
7月28-31日!『関口純の演劇論』シリーズ第1弾!【デンデンドロイカ】
http://www.gakugekiza.com/information/junsekiguchi.html
★★★
▼メール
natsukigojo-management@gakugekiza.com
チケットご予約の際はタイトルを「公演チケット予約」とし、本文に「お名前(フリガナ)、ご希望日時、枚数、メールアドレス、電話番号、住所」をご記入下さい。